前号1面でも報じた通り、SOMPOケアメッセージ(以下・ケアメッセージ/東京都品川区)とSOMPOケアネクスト(以下・ケアネクスト/同)の2社は、7月から一体運営を開始する。この具体的な内容や今後の展望について、2社のトップを兼任する遠藤健社長に話を聞いた。
── 両社の一体運営における狙いは
遠藤 昨年度まで、ケアメッセージは内部管理体制の強化、ケアネクストは入居率の改善と、異なる課題に取り組んできました。今年4月時点の両社の入居率はそれぞれ87%超、80%超と好調に推移・回復したことを受け、一体運営に切り替えることでスピード感のある意思決定や両者のノウハウ共有などを推進します。
── 現場施設・ブランドは従来通り維持する
遠藤 ケアネクストには手厚いサービス精神があり、ケアメッセージには効率的にケアをできるノウハウがあります。ケアプランと日々のケアをシステム的につなげることで自立支援を推進するとともに、こうした両社の好事例を持ち寄ってサービスや人事制度を統一していきますが、施設の価格帯はそのまま、多様性を持たせて運営していきます。
── 両社のマネジメントを行ってきたSOMPOケアについては
遠藤 外国人技能実習生の帰国後の活躍の場づくりなど、HD本体の海外ネットワークを生かした事業展開も視野に入れています。こうした海外戦略をSOMPOケアが担当するなど役割分担しながら引き続きマネジメントし、介護報酬に頼らないビジネスモデルを展開する考えです。
── 今後の展望は
遠藤 人材育成に最大の投資をしていきます。7月に開設する研修施設「SOMPOケアユニバーシティ」では、ケアメッセージ・ケアネクスト両社に限らず、介護を学びたい学生や社会人などにも門戸を広げる方針です。
また、今年度まで新規開設をストップしていましたが、今後はM&Aなどによりマーケットの幅を広げることを検討しています。認知症ケア・予防をテーマとして、グループホームの拡充も視野に入れています。
