記事 Article

2016年10月12日号

介護離職防止で助成金 1人最大60万円支給

厚労省 企業を支援

 厚生労働省は介護離職ゼロの実現を目指し、企業向けの助成金「介護離職防止支援助成金」を年内にも導入する。一定の条件のもと、1ヵ月以上の介護休業の取得で従業員1人当たり最大60万円を企業に支給する予定だ。

 厚生労働省が行った「就業構造基本調査(2012年)」によると、介護離職は年間10万人に上るとされている。年々増え続ける介護離職を抑制するため、新たに「介護離職防止支援助成金」が新設される。

 支給条件は、(1)職場環境整備、(2)介護支援プランの策定・導入、(3)制度利用、(4)継続雇用の4つ。職場環境整備では、アンケート調査により仕事と介護の両立に関する実態の把握、制度設計や見直し、前段階での研修実施や制度の周知、相談窓口の設置などがある。

両立プランは大企業で20万円

 介護支援プランの策定では、実際に介護休業を取得するプランと介護休業以外の両立制度を取得するプランの2種類に分類。介護休業を取得する場合は、大企業で1人40万円、中小企業で60万円が支給される。

 また、両立プランとなる、残業を抑制したり出社時間をずらせたりする時差出勤制度などを3ヵ月以上利用する場合は、大企業に対し1人20万円、中小企業に対し30万円が支給される。