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2017年04月05日号

アズパートナーズ 4つのICTを一体運用

1日17時間の労務時間削減

アイホンらと共同で取組み

 

 首都圏で有料老人ホームなどの介護事業を手がけるアズパートナーズ(東京都千代田区)は3月22日、ホーム入居者の状態把握、コール対応、コール内容の記録入力をスタッフがスマートフォン1台で行えるICTシステム「EGAOlink」を導入したと発表した。今後数年かけて運営する全ホームに導入する。
 このシステムは、パラマウントベッドの「眠りSCAN」、アイホンの「Vi─Nurse」、富士データシステムの「介護カルテシステムちょうじゅ」、住友電設の「ナースコールゲートウェイ」をリンクさせ、スマホで一体的に活用するもの。
 「人手不足の中、業務に追われてケアが流れ作業になったり、スタッフ間の情報共有やコミュニーションが希薄になったりするのを防ぎたいと考えていました。それぞれの機器は、個々に導入してもホームの運営効率化に効果があるものですが、これを一体的に運用することで、よりスタッフの労務軽減が図れないか、と考え、4社と1年3ヵ月にわたりシステム構築に取り組んで来ました」(植村健志社長)

 

 

見回りなどの業務大幅短縮


 2月に介護付有料老人ホーム「アズハイム町田」(60室)で導入したところ、1日あたりサービス提供記録の作成や安否確認のための見回りなどに要していた時間、17時間を削減できたという。ちなみに、導入費用は約2000万円。
 「単純に考えて、スタッフ2人分の業務量が削減できた計算です。当社では、この捻出できた時間を個別ケアの充実や、スタッフ間のコミュニケーションの活性化、人材育成などに充てて行きますが、人件費の削減に充てるなど、事業者の考え方に応じて様々なメリットが生じるでしょう」(植村社長)
 このシステムを、同社でパッケージ商品などの形で他社に販売することは考えていないが、システム導入によるメリットなどについて、様々なツールで広く発信し、業務効率化、離職防止、虐待防止などの効果を業界全体に波及させていきたい考えだ。また、今後は更なる機器をリンクに組み込むことなども想定している。