セントケア・ホールディング(東京都中央区)、産業革新機構(同千代田区)ほか3社は14日、AIによるケアプラン作成を行う新会社シーディーアイ(同)に総額15億円の共同出資を行った。なお、セントケア・ホールディングは同日、ミレニアの子会社化およびBuurtzorg Services Japanの関連会社化を発表した。
シーディーアイは、AIを利用してケアプランを作成し、自立支援・重度化予防に繋がるケアマネジメントに向けたシステムを開発・提供する。これはセントケア・ホールディングが実証研究を行ってきた事業であり、新会社設立は同事業のスピンオフにあたる。米・シリコンバレーにあるActivity Recognition社と事業提携することで研究開発を加速させ、シーディーアイは介護関連法人と協同する共同事業体の役割を追求していく。
サービス提供開始時期は2018年4月。ケアプランの使用料による収益モデルで、クラウド管理・月額料金制を想定しているとのこと。同社の岡本茂雄社長は「AIは、数値化した介護のノウハウや利用者の健康状態などを蓄積し、学習して情報に変えることができる。ケアマネジャー1人で行う仕事には限度があるが、AIは何万人でも対応可能」と紹介。AIが得意とする領域は予測であるため、重度化予防に寄与するとの考えだ。
出資比率は、産業革新機構40%、セントケア・ホールディング26%超、日揮10%、ツクイ6%超、社会福祉法人こうほうえん1%超。7月までに2回目の出資受付を予定しており、そこでは約15%を想定している。産業革新機構の土田誠行専務取締役は「社会課題解決に向け、長期的に投資を行う。事業性を高め、早くサービスを届けられるよう経営全般を支援する」と話す。
また、セントケア・ホールディングの村上美晴会長は「日本の介護業界には蓄積してきた知識資産がある。これを先進的な別の知識と組み合わせ、様々な企業と協業することで業界の発展に貢献していきたい」と言及。こうした知識転換を行う第1号事業者として、価値を追求していく方針だ。
