ケアマネジメントの実態を探る目的で国が昨年度に実施した調査の結果が公表された。それによると、充実した体制を敷いていることなどを評価する「特定事業所加算」を取っている居宅介護支援事業所は全体の32・9%。一昨年度の30・0%から2・9ポイント増えていた。「加算I」は3・1%で0・9ポイントの増加。「加算Ⅱ」、「加算Ⅲ」もそれぞれ微増となっている。
調査は、厚生労働省が民間のシンクタンクに委託して昨年11月に行ったもの。次の介護報酬改定をめぐる議論の土台となるデータを集めることが狙いだ。対象は約3000ヵ所の居宅介護支援事業所、約1万5000人のケアマネ。有効回答は1572事業所、4682人から得ている。
「特定事業所加算」は、ケアマネジメントの質の向上につなげる目的で導入されたインセンティブ。(1)主任ケアマネの常勤・専従、(2)24時間、連絡を受けられる、(3)中重度の利用者が一定の割合を占めている、などを要件としている。前回の改定では、それまでの2種類から3種類へ区分を細分化。人材の育成に協力する体制を必須としたほか、「加算I」と「加算Ⅱ」で人員配置の強化を求める見直しを行った。おおむね3割の事業所が算定している状況は、昨年度に至るまで大きく変わっていない。
今回の調査では、「併設施設あり(同一・系列の法人が運営する施設・事業所が複数)」と回答した事業所は89・4%。「併設施設なし」は9・6%と回答しており、同一・系列法人が運営しているサービスは、62・2%の訪問介護と61・6%の通所介護が特に多い。併設しているサービスは、通所介護(32・8%)、訪問介護(32・2%)、ショートステイ(14・4%)の順に多かった。
1事業所あたりのケアマネの常勤換算人数は、常勤が3・0人、非常勤が0・2人で、合計は3・2人。ケアマネ1人あたりの利用者数(常勤換算)は平均25・2人。「30人以上40人未満」が32・2%で最も多く、次いで「20人以上30人未満」が31・4%、「10人以上20人未満」が18・1%の結果となった。
ケアマネを年齢別にみると、50代が34・9%で最も多く、次いで40代が31・2%、60歳以上が18・1%、30代が14・6%と続き、29歳以下は0・4%だった。主任ケアマネ研修を修了しているケアマネは32・6%だった。

