大手デベロッパーのヒューリック(東京都中央区)が保有施設を増やしている。同社が運用するリートも含めると、高齢者施設の運用ではアジア最大級になるとみられる。
現在、特定施設とサービス付き高齢者向け住宅を22棟・2180室を運用している。開発予定も含めると29棟・2540室となる。
運用物件のオペレーターは、ベネッセスタイルケア、ニチイケアパレス、チャーム・ケア・コーポレーション、木下の介護、ユニマットリタイアメント・コミュニティなど大手が顔を揃える。計画中の中にはソナーレブランドの3棟目となる物件も含まれている模様。
ヒューリック単体での所有物件簿価ベースは約640億円と、国内の上場ヘルスケアリートの規模を大幅に上回っている。
また、リート運用会社のヒューリック投資法人では、富裕層向けの有料老人ホームを手掛けるトラストガーデンの物件を中心に高齢者施設5棟・460室を保有している。これによりグループ全体では34棟・3000室、簿価ベースで約780億円となる。
海外リートは病院なども組み込んでいるためその資産額は巨大だが、高齢者施設に限ればヒューリックグループがアジア最大級の運用実績を有しているとみられる。
全運用物件34棟のうち31棟が首都圏、さらに25棟が東京都内となっている。
「首都圏が中心だが、100万都市、及びその周辺も対象として投資を続けていく」(森田翔氏)考えだ。
かつてはオフバランスによる取得が多かったが、近年は開発型案件が増えてきている。マンション事業者などとの競合により、都市部の好立地を押さえるのは難しい状況が続いているが、大手デベロッパーとしての情報力で先手を打つ。将来的にはグループ全体で高齢者施設を中心に資産規模1000億円も視野に入れている。
