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2017年09月13日号

介護入門研修、導入へ 介護人材のすそ野拡大 厚生労働省 来年から

 厚生労働省は、介護分野に従事する未経験者を対象に創設した入門的研修について、2018年度より全国的な導入を目指す。介護職員初任者研修よりも簡素で初歩的な研修として、介護人材のすそ野拡大と、未経験従事者の質向上につなげる狙いだ。

 

 

 この入門研修は、昨年10月に「第6回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」において構想されたもの。


 子育てがひと段落した未就業の女性や、退職後の中高年齢者などの参入促進を目的としており、介護に関する必要最低限の基礎的な知識・技術を学ぶことで現場に入りやすくするとともに、未経験者の質の確保にも寄与するとの考えだ。


 この度、厚労省はこの入門研修を2018年度より全国的に導入するとしている。すでに来年度予算の概算要求にも、「都道府県ごとの基金の使途に研修の運営費を加える」といった、研修実施費用などの事項が盛り込まれている。


 現在運営されている「介護職員初任者研修」は130時間の研修修了により訪問介護の提供も可能だが、入門研修では、この半分程度の時間数とする案が提示されており、訪問介護には従事できないものとする方針。


 厚労省社会・援護局は「社保審などで議論されている『生活援助における人材確保』とは別物で、デイサービスや介護施設などでの人材確保が狙い」とコメント。初任者研修や実務者研修との明確な住み替えを念頭に置いた受講科目とすることも固めている。


 そのほかの具体的な研修内容などについては今後、年度内に研修の大枠を決定した後に検討していく。