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2017年09月20日号

ツクイとオリックス自動車、高齢運転者をサポート

 ツクイ(横浜市)とオリックス自動車(東京都港区)は9月11日から来年2月28日までの間、ローソン(同品川区)協力の下、ローソン店舗内で運営する介護相談窓口「ツクイ・ケアコミュニティ」において、「高齢ドライバー運転リスク振り返りサポート」を実施する。

 

 

 同サービスは、地域の高齢ドライバーの安全運転をサポートすることを目的としたもの。

 

 対象者は、オリックス自動車が提供する高齢ドライバー見守りサービス「あんしん運転Ever Drive」の利用者。埼玉県と大阪府にある全4拠点の「ツクイ・ケアコミュニティ」にて、ツクイのスタッフが可視化された運転状況(急ブレーキ、急加速、速度超過、長時間運転など運転傾向の変化)を見ながら利用者と一緒に振り返り、安全運転を促すサービスだ。同サポート自体の利用料金は無料。

 

 
 ツクイでは「日々の運転の変化を客観的に見守ることで、認知機能の低下などの早期発見にも期待できる」としており、継続的にサービス提供を行っていく方針。オリックス自動車としては、「従来は企業向けのサービスが多かった中で、利用者に直接届けられるサービスへの足掛かりにしたい」との考え。

 


 また、運転データの蓄積により、コンビニエンスストア周辺の危険個所を地域で認識できるようになる。サービスを通して、「高齢ドライバーと家族」に加え「地域」が一緒になって適正運転を考える機会を創出していく。

 

高齢運転の事故原因は誤操作等

 

 警察庁によると、2016年に75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故は459件で、2005年以降12年連続で400件を超えているという。

 

 「壁などへの衝突」が24%と最多で、「車との正面衝突」「出合い頭の衝突」はいずれも14%。一方で、75歳未満では27%を占めた「横断中の歩行者らをはねる事故」は12%だった。

 

 事故原因では、ハンドルの誤操作等の操作ミスが28%で最も多く、これは75歳未満の1.8倍だ。自動ブレーキなどを搭載した自動車の普及が待たれるが、ドライバーや地域に焦点を当てた今回のようなサービスが、事故防止や認知症早期発見に寄与する可能性は大きい。