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2017年10月04日号

インタビュー| 巨樹の会 江東リハビリテーション病院 梅北信孝院長

早期復帰と社会復帰が焦点

 

── リハビリテーションの体制、ほかの回リハ病院との違いは。

 


梅北 理学療法士91名、作業療法士36名、言語聴覚士16名と手厚いリハビリテーションの提供体制が強みです。1病棟あたり回復期リハビリ病棟に求められるセラピストの配置基準は、最も要件が厳しい「回復期入院料1」で理学療法士が3名、作業療法士が2名、言語聴覚士が1名以上です。比較してもらうとその手厚さが伝わるのではないでしょうか。


 患者は6割が脳卒中患者、4割は高齢者と予測されます。高齢者に対しては運動トレーニングだけでなく、リハビリの訓練に計算を取り入れるなど認知症対策にも注力します。

 


── 地域における役割は。


梅北 私は外科医として救急医療に携わってきましたが回リハ病院の役割を知り、その可能性の大きさを感じています。

 

 しかしながら適切な量・質のリハビリを受ければ、身体・生活能力が回復するにもかかわらず、回リハ病院で引き受けることができる患者の条件が急性期病院に浸透していません。しっかりと啓蒙していきたいと考えています。

 

 

── 「江東」ならではの目標は。

 

梅北 当法人の回リハは90.5%の在宅復帰率がありますが、当院でもほかの拠点に負けない実績をあげていきます。またこれまで人口に対する医療資源・医師数が少なかったこの地区の医療の要となる存在を目指します。

 


── 事業者との連携についての考え方は。

 

梅北 患者が安心して退院できる環境づくりも使命の1つだと感じています。これは江東に限りませんが、慢性期病院は十分な数がありません。出口対策は課題だと感じています。

 

 地域全体で患者が自宅に戻れる体制づくりに取り組むことが必要です。自宅に帰った後も状態が悪化して病院に戻ってくることが無いよう、しっかり信頼・情報交換できる訪問看護事業所や介護事業所と関係づくりをしていきたいと考えています。